2012年5月27日日曜日

Audacityでレコードを取り込む(1)「ノイズの除去」

忘備録としてスタジオでの暇な空き時間を使って書き始めたブログですが、
意外とビューがあるので、もっと書いてみようかなと...

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そもそもLAMEとAudacityの導入はレコードの取り込みの為でした。

世の中にはProtoolsを始めLogicやらCubaseやらDPなど、
機能の充実度や性能が優れたDTMソフトは有ります。

楽曲制作という用途にはこれらは向いている事は間違いないですが
単純にレコードやテープなどのアナログな音をステレオトラック1系統で
取り込んでデジタル化するだけならばAudacityは圧倒的に便利で楽だと思います。

理由はたった一つ、
「ノイズの除去」
というのも、便利なプラグインがフリーで提供されているからです。

(もしかしたら、LogicとかCubaseには最初から
それっぽいプラグインがインストールされているかもしれませんが、
そんなの持ってない私には知る由も有りません。)

レコードを取り込むって事は、iTunesやCDで聞きたいって事がメイン
(私はDJ用として12"をデジタル化)なので、
その際に調整したい点は以下の3点
  1. 「ブ〜ン」や「シャー」っと鳴る、ハムやヒスノイズの除去
  2. 「ブチッ」っと鳴る、傷ノイズの修正
  3.  音圧を他のデジタル音源並みに調整
Audacityでこれらを解決してみましょう。

まず、ピークに気をつけながら音楽を取り込みます。
その際にレコードの無音部分もなるべく多めに録音しておきます。

録り終わったら、
録ったレコードの無音部分を聴いて確認します。
明らかに1.のノイズだけと言う部分を1秒〜3秒程度選択します。

メニューの「エフェクト」>「ノイズの除去」を選択し、
ステップ1「ノイズプロファイルを取得」
をクリック。
そうすると先ほど選択した部分のノイズのデータがキャッシュされます。

このときエフェクトのウィンドウが一度閉じますので、
コマンド+Aで曲全体を選択し、
再度、メニュー「「エフェクト」>「ノイズの除去」を選択し、
ステップ2のパラメーター
 を設定ます。


 「OK」をクリックで終了...

...なのですが、
肝心なこのパラメーター設定がちょっと難解なのでちょっと説明します。

Audacityは、「曲を再生している状態で、エフェクトのパラメーターを触って
リアルタイムで効果を確認が出来ない」のがネックで、
何度か「試しがけ」をしながら、ざっくりレコードを取り込む際の
ベストなパラメーターを探って行かなければなりません。
(「コマンド+Z」でいつでも前の状態に戻れますので、このショートカットは多用します..苦笑)

原曲への影響(エフェクトのかかる度合い)を
出来る限り少なくするためには、スライダーをなるべく左の方に設定
したいので、まずデフォルトの状態で「決定」をして
かかり具合を検証してみます。

無音部分のノイズが完全に消えていたら、
音量のパラメーターをちょっとずつ左にしていってみる。
そうすると徐々にノイズが戻ってくるので、
気になるかならないかのギリギリのポイントで手を打つ。

逆にかかり方が弱いなと感じたら、
右に音量スライダーを動かして、
ノイズに対して原曲のバランスが保たれている
ギリギリのところで手を打つ。

これだけでまず問題ないかと思います。

もっと細かく設定したいという方の為に
各パラメーターの意味を軽く説明します。

『音量(db)』は、ノイズを削る量の設定。
値が大きい程より多くのリダクションがかかる。

『感度(db)』は、音をノイズと判断する音量のしきい値の設定。
簡単に言えば、無音部分での「音楽」と「ノイズ」の境目に設定できるのがベストです。
通常は真ん中の「1」で良いですが、ノイズと無関係なところにエフェクトが
かかりすぎている場合には調整してあげます。

『アタック/ディケイ(sec)』は、
ノイズキャンセラーがノイズを感知してから作動するタイミングと
停止するタイミング。音楽の繊細なアタックやディケイを消したく無い場合には
少し遅らせた方が賢明。

『周波数平滑化(Hz)』は、
『pure_watcherさん製作Audacity Professional manual 正式版ver,1.0 +++』
http://www.utsunomia.com/y.utsunomia/htmlindex%20for%20audacity_pro_manual_11_11_23/noise_no_jyokyo.txt
から引用させてもらうと、
いわゆる「Q値」、すなわち先ほどキャッシュしたプロファイルで判明している
削るべきノイズ周波数をどれだけピンポイントで削るかということのようです。
単位がHzであることから、左の方が狭く、右の方が広いことが分かります。
低音寄りのノイズだったらさほど範囲を広くしなくても大丈夫そうですが、
高音寄りのノイズだと少し幅を持たせるのが良いかもしれません。

オフィシャルにこれらの説明がなされた訳ではないので、
各自何度か試してなんとなくコツを掴んでみてください。

レコードやテープ以外でも、マイクに乗る電気ノイズやウィンドノイズを
消すのに役立ちます。

次に、「ぷちっ」って鳴る、ダスト/スクラッチノイズの除去ですが、
これは、「修復」というプラグインを使用します。

まず消したいノイズ部分の場所を有る程度特定したら、

耳波形を目視しながらズームインし、該当箇所を選択し、
(128サンプルまでの短い領域にしか修復をかけられないので、選択する幅に注意する)


「エフェクト」>「修復」をクリック。
 でイイ具合にノイズが消えてくれる筈です。

次は、音圧の稼ぐ方法を説明します。

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